2014/03/25

プライベートウェイズ

街中で今にも殴り合いが始まりそうだった。ふたりの中年の男が汚い言葉を使って罵りあっている。中に入っていったのは、表情があまり無い無機質な印象を与えるような感じの男。その男のいきなりの参入で事態が飲み込めていない片方に向ってその男が『豚野郎が豚野郎に豚野郎なんて言うんじゃねぇ!!』と言うと思い切り彼を殴り飛ばした。そうして、西や東の空に火が着いた。思い出してみれば、南の空にも火が付いていたような気がした。もしかしたら、今言ったことは勘違いかもしれない(後日談)最終的には三人で殴り合っていた。理由をつけることはいつでも簡単だ。大人になれば尚更だ。三人ともろくでもない確かな豚野郎だった。その様子を歩くのを止めて立ち止まってずっと見ていた私も絶対に豚の一員だった。だから三人を今、殴りにいくことを決めたのだった。まあそれも途中で止めたのだが(後日談)