2014/12/22

おかしな運命

眠れるだけ眠っていたいのはとても長い夜勤を終えたあの人だろう。話は変わるのだけど、街中を結構な速度で走っている車の後部座席からドアの外へ男は飛んだ。その無能な男にはそのまま飛び続けていられるような能力が無かったので両足が砕かれた。男の周りに人集りが出来る。車はそのまま何もなかったように走って行った。人集りの中で呻きながら男は思う。良かった良かった。どうせ殺されるだろうがあと二、三日は生きられる。運が良ければもっとずっとかもしれない。そう思って人知れず安堵をしたのだった。